① |
■帯の垂れを作る 帯の端(はし)に、織目の変わった部分があります。この部分は不要な部分ですが、約1寸(3.8cm)残して切ります。 切る長さは、あまり神経質になる必要はありませんが、織目に合わせて直線に切ります。織目に変化がなく、最後まで織られた帯もあります。 |
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② |
織目に合わせて、きれいに切ります。 |
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③ |
端から、約1寸(3.8cm)折り返します。 |
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④ |
きれいに折りました。 |
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⑤ |
左の垂れ先(たれさき)から約3尺(114cm)ほど、裏側へ折り返します。 |
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⑥ |
折り返した端をくけます。(くける:表から縫い目が見えないように縫い合わせること)。 |
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⑦ |
博多帯は、固くて強い帯地です。強めの針で、ゆっくりていねいに時間をかけて、くけます。 |
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⑧ |
帯の端はくけ縫いしますが、両脇はかがります。(かがり縫い:布端を羅線(らせん)状に縫い進む) |
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⑨ |
きれいにかがりました。 プロ腕前は、縫い方以前に織物の地直し技術にあります。裁断や縫製する前、数時間かけて着用後も狂いが生じないよう入念に織目を正(整形)しています。海外縫製では真似のできない繊細で緻密な作業です。 |
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⑩ |
■帯の手先を作る 帯の端に、織目の変わった部分があります。この部分は不要な部分ですが、約1寸(3.8cm)残して切ります。そして、帯の内側へ約1寸(3.8cm)折り込みます。 プロの和裁士は、さらに手間を惜しみません。織目の変わった不要な部分を1寸残して断ちますが、そのとき、以下の図のように切り取ります。両端は三角定規を下向きにしたように切りますが、半分に折る中央部分は二等辺三角形のような凸状にします。 それは、折り返した重複部分が薄くなるように仕立てるためです。また、手先の先端部分がふくらみ、シワになるのを防ぐだけではなく、結ぶ時、手さばきの良いなめらかな感触が得られるからにほかなりません。 |
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⑪ |
左端の矢印は、三角定規の形。中央の矢印は、凸状に切り取られています。 |
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⑫ |
手先を作ります。手先の右端には、返しが約1寸あります。(下の画像は単純に直線にカットした場合の想定図です) ■手先の作り方 1.帯を裏返す。 2.中表にして、半分に折る。 3.出来上がり線の1分(3.8mm)外側を半返しで縫う。 4.上図の写真のように、裏表をひっくり返す。 半返し:ひと針の3倍の縫い幅で進み、ひと幅折り返して、また、縫い進む。三歩進んで一歩下がる。 |
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⑬ |
続いて手先の右端から、9寸5分(36cm)~1尺(38cm)ほどかがります。 |
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⑭ |
手先の先端は、中央を折り曲げるだけで縫いません。(プロの仕立て) |
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⑮ |
手先をそろえて、かがります。(プロの仕立て) |
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⑯ |
手先を約1尺ほどかがりました。 |
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⑰ |
■八寸名古屋帯の完成です。 |