203.正しい知識で応援して欲しい |
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2021/07/26 30歳代会社員(久喜市) |
着物を始める決心をして、ふらっと立ち寄った大手着物チェーン店での話です。私は気に入ったものを多くても3点くらい買えればそれでいいと思っています。なのでセールストークで何を言われようが買わない物は買わないと言ってきました。ですが、「ローンならいくらですよ!」とか「今しか買えないからよく考えてください!」とかローンを組むつもりは全くなく買える買えないはお金を出す側が決めることで店員がローンで買える!と言ってくるものではないし、考えているからこそ出している答えを考えてないと言われる筋合いなど無いと思います。モヤモヤしながらもそこで着付けの練習もしていたので通っていました。その間イベントがあると軽い気持ちで行きますと言って参加していたのですが、お高い着物を売るつもりはないからと言っていたのに会場で着せられて電卓で値段を打つ姿に衝撃しましたし、何時間もの拘束も疲れました。そんなイベントの店舗開催の時、買いたいなあとも思っていたのでよく吟味しある着物を見てたんです。色々話しながら選んでいた会話の中で結婚式に参列することを話したのですが、御召だというその着物、友達の結婚式なら行けると言われたんです。私は普段にも着ることが出来て式典もいいなんて良いじゃんと思い初めから買うつもりでいたので買いました。ただ、一緒に勧めてきた帯だけは納得がいかず購入はしませんでした。それでも安い買い物ではありません。なので仕立てをミシンでやれば安いと言われたのでそれにして着物自体は満足だったので家に帰りました。そこから母に話をしたところ、「正絹をミシンで縫うなんて有り得ないよ!」と言われたのが切っ掛けで不安になり着物の詳しい方や百貨店を回って情報を得た結果、ミシンで縫うことはあるが正絹には使わないということ、御召は結婚式等では着ないし百貨店では絶対勧めないということが分かりました。なので仕立てはまだ変えられるということで手縫いに変えてもらい、結婚式には洋服で参加することにしました。普段に着るのが目的だったので着物には後悔はありません。ですが、結婚式という場で友人だけでなく親族もいらっしゃることを考えたら結婚式にも着れるなどと言って欲しくありませんでした。無知な私が悪いことも分かっていますがそう言われればちょっとは期待します。着物で結婚式いいねとなります。着物に詳しい方には「店員が何を言ったか知らないが、向こうは売りたいだけ。昔と違い多様性も出てきているが式典は別物」と言われその通りだと思いましたし、ちょっと浮かれた自分が恥ずかしくなりました。着物を着たいという気持ちと店員との心理戦を勝ち進むのを天秤にかけたら何人かは着物を諦めてしまうのではないかと感じます。それでは素晴らしい着物もただの布です。そして技術にお金を払うことは大事なことです。それが例え高くても技術に見合っていれば私は納得してお支払いします。でも売りつけるだけの高い物にはお金を払いたくはありません。無知な人に中途半端な教えをすることも納得出来ません。これから着物ライフを楽しむために出来る限りのことはやっていきたいので正しい知識で無理なくできるように応援して欲しいです。
お召しの着物が「結婚式に着られる」というのも「着られない」というのも、どちらの意見にも一理あります。三親等以内の親族・姻族が着る第一礼装の黒留袖や色留袖と同格にはなりませんし、四親等以上の親戚や血縁関係のない友人知人では主に準礼装の訪問着が着られています。しかし、一方で訪問着ではなく色無地や江戸小紋に袋帯で参列する女性もあります。豪華さよりも格式や謙虚さを重視する着方ですが、これも準礼装の装いとして全く問題はありません。お召しの中には、この色無地や江戸小紋に匹敵するものもありますが、結婚式には相応しくないと思われる色柄もあります。さらに、お召しの訪問着もあります。お召しは、この判断基準が曖昧で難しいことから「上級者向きの着物」と言われています。→お召についてはこちら。 |